田中賢一のスカウト日記
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伊藤サユリ 27歳
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| 伊藤サユリ 27歳 C 1周間ほどして------。 この前声をかけた彼女は、・・・19歳の学生でEカップの女のコは、それからの電話は繋がった。 そして電話の向うで彼女は、脱いでもいいよ、とサラリと言う。 アタリだなと、2、3言返して、メイクをすれば見栄えする顔立ちが頭に浮かんだ。 しかし、彼女が撮り内容などの条件面で要望を言う時に、自分は1度掴んだ感触が少しズレた気がした。 その感じは、本当は経験者じゃないのかと、・・・本人は未経験と言うが、を思わせる。 それか他にスカウトされたことがあるか、所属したことがあるかというところだろう。 慌てずに彼女のクセを掴んでから、それに合わせて徐々に詰めて所属まで話すほうがいい。 週末あたりに、もう1度会う約束をする。 その次ぎになる美形のヤセ気味な風俗嬢は、また出勤途中に見かけて声をかけた。 彼女は自分だと気がついて足も止まり、この前のことも覚えていて、すぐに話が転がった。 アダルトに対してこれといって抵抗感や罪悪感もない、バレもそれほど気にしてはいない彼女だったが、カラダに自信がないというのが躊躇してる理由だった。 詳しく訊くとアトピーで肌が荒れてるとのこと。 じゅらくビルの脇まで動いて、袖をまくり腕を見せてもらうと、肌はかなりカサカサと荒れていた。 足がほとんどがそういう状態とのこと。 惜しいが所属は微妙というよりムリだ。 3年前だったら、こういう感じの女のコでも営業できたが、今は制作サイドの要求は厳しい。 AV嬢はかわいくてやる気があるのが当たり前で、プラスで飛びきりカワイイか、ハードができるとか、本数こなせるとか、ギャラが安いかがないと予定が入らないこともある。 この先アダルト事務所はどうなるんだろう。 お店がんばってねと、彼女とはバイバイした。 その次ぎの27歳のサユリは動かない、という見当はついていた。 あのとき話が回ったのは、よくある女のコの気まぐれかもしれない。 それに、その後にも見込みがある女のコもいて、そんな気持ちの余裕から、彼女は切りだなと選択させていた。 アルタ前広場にベージュのスーツの彼女が姿を見せたのはそんなときだった。 軽く手を挙げると、少しの笑みで彼女は脇まで来て立ち止まり、会社に戻る途中なのだと話かけてきた。 「ね、今日は何人スカウトできたの?」 「そんな何人もできないよ」 「ホントに?」 「ほとんどがシカトだからさ」 「ははは」 「まあ、1日1人だね。考えてみるってコがね」 「そうなの?」 「そうだよ。カンタンにはいかないよ」 「今日は何時からしてるの?」 「もうすぐ2時間くらいたつかな」 2時間程で何人かの女のコの足は止まりはした。 しかし、警戒していたり、アダルトは興味がなかったり、驚いて引いたり、高校生だったりで、皆、バイバイした。 「何人くらいに声かけたの?」 「数えてないな」 「ふーん」 「こういうのって流れだからさ」 「ふーん」 「リズムっていうのかな」 「そういうのがあるんだ」 「それにのれてきてるってときに、スパンって決まるんだよ」 「ハハハ、キャッチのひとって感じ」 「・・・」 このときはもうすぐアガりそうな感じがしてた。 集中や緊張の状態、気分や歩調の調子が交ざったコンディションは、あと2時間もすればいいコがスカウトできるという勢いにもなっていた。 こんなときの立ち話のときに限り、目の前を通り過ぎて行く女のコがいい感じに見えて、ヒマつぶし丸だしの彼女との会話が持て余し気味に少し思った。 「で、考えてくれた?」 「何を?」 「脱いでみない?」 「アハハ」 「いいじゃない」 「ハハ」 「事務所はいれよ」 「考えてるよ」 彼女の応えかたには興味が含まれている。 その部分に、まだ、自分はこだわりがある。 ダメをもう1回だけ押してみて、動かない様子なら見切ろう。 今はお茶を飲みたくはなかったから、プリクラを撮ろうというと、ウケたようで笑う。 わかってはいるが、プリクラが似合わないのだろう。 もっと明るく爽やかになりたいとどこかで思いながら歌舞伎町交差点まで歩いて、お互い仕事が終わったかのようにゲームセンターでプリクラを撮り、出来上がったシートを半分ずつにカットした。 いつものように、自分はつまらなそうな顔で撮れて、それが彼女の自然な笑顔と一緒だと、なおさらうさんくさくて、自身で見てどんよりした。 それを隠すようにプリクラの彼女を何気に『カワイイね』と言った。 すると彼女の表情が微かに揺れた。 このまえ名前で呼んだときと同じく、戸惑いなのか、照れなのかが交じった表情をした。 また、アレッと思う。 カワイイねと言われて反応する女のコには、どことなしに受け身な態度がある。 キレイだと感じさせる女のコは、逆に積極的な姿勢を持つ。 自分から見て後者の彼女が、以外にもカワイイというベタな言葉に反応したとき、もっと押せば、押しきれば脱ぐんじゃないか、という気がした。 彼女は時間のことは言わないから急ぎの予定はない様子だ。 ゲームセンターの雑音にまぎれて訊いてみた。 「最初、アダルトなんてびっくりした?」 「うん、びっくりした」 「そうなんだ」 「わたしね、マジメなコなのよ。脱ぎだとかお店だとかゼッタイにしないんだから」 「オレもそうだったよ。根がマジメだからね」 「田中さん、・・・以前はなにやってたの?」 「固い仕事していた。アダルトなんて全然無縁だったよ」 「なんでスカウトなんかしてるの? あ、スカウトなんかって、ヘンな意味じゃないよ」 「いいんだよ、別に。・・・スカウトは生活のためだけど」 「・・・そうだけど」 「・・・オレね、まえのカノジョがさ、内緒でAVにでてさ」 「・・・」 「それでカノジョと別れて、仕事もなかったし、スカウト始めたんだけど」 「そうなの」 「その時は、カノジョに裏切られた感じがしてすごく腹がたったけどさ。今はオレの接しかたが悪かったと思うなぁ」 「・・・ふーん」 「うん、女のコってカレシには大事にされたいっていうのもあるんだろうし、他のオトコにもカワイイとかキレイだとかも言われたいだろうし」 「・・・うん」 「わがままだけどね、いいじゃない、それで」 「・・・うん」 サユリもそうだろって言おうとしたが、自分を見ながら頷く彼女を見てやめた。 彼女の何かを言いたそうな目は、甘えるのがヘタクソで、自身の感情を抑えてしまう、そういう女のコが、・・・AV嬢や風俗嬢に多いタイプだが、そんな女のコが時折見せる目の感じと似ていた。
------- 以下筆記中-------
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